大野元裕さんからの回答(画像、テキスト)

*テキストは、画像の下にありますので、下にスクロールしてください。


大野元裕さんからの回答

 

*下は、ご回答いただいたファイルからテキストを抜き出したものです(内容は、上で画像で示したものと同一です)。見やすさのため、パラグラフ冒頭は一字下げ、タイプミス等については(ママ)と記入しています。

 

ジェンダー平等についての公開質問状

*それぞれ300字から600字

 

(1)ハラスメント防止について(県庁、小中学校、事業主、県民)

Qハラスメントの課題にどう取り組むか?

 

 県庁は全ての事業所や団体等の模範となるべく、率先して全てのハラスメントを撲滅します。そのために、全てのハラスメントへの理解の促進、研修の充実、相談体制の強化に取り組んでまいります。特に、県庁での職場のハラスメント対策については相談窓口を専門に設けて内外に発信し、県庁内に限らず、優越的地位を利用した、取引先企業、フリーランス、インターン等に対するハラスメントについては、通報しても不利益が生じず、通報者の情報が漏れることはないことを明示しつつ、対応してまいります。

 学校等については、県立学校におけるパワー・ハラスメントの防止等に関する取組として、パワー・ハラスメントの防止等に関する要綱を平成23年に策定し、職員の責務や研修について規定をおいていますので、より実践的な研修を実施していく必要があると考えます。

 事業主に対してはハラスメント予防の周知啓発事業に加え、職場で相談ができる環境づくりへの支援、被雇用者はもちろん、全ての県民が安心して相談できるよう埼玉県労働相談センター等での電話相談事業の充実が必要です。

 

 

(2)男性の育児休業取得について

Q取得率を大きく増やす取組みは?

 

 これまで埼玉県では、男性の育児休業取得モデル企業として企業名の公表や男性育児休業取得者の経験談の公開等の取組みを行っています。

 しかし、男性の育児休暇に限らず、日本では、有給休暇自体の取得率が低い現状があり、社会全体の働き方に対する意識を変化させていく必要があります。そうした意味で、男性育児休暇取得を義務化したり、奨励金を交付したりする方法によらず、地道に、着実に、埼玉県全体での休暇取得に対する理解を促進していくことが大切だと考えます。市町村と協力して小中学校での職業教育を実施していくことも必要です。

 

(3)「子どもの貧困」の解消について

Q県の取組みへの評価、更なる取組みについて?

 

 埼玉県は、ご指摘の通り、子どもの居場所づくり、学習支援、支援者育成などに、他都道府県に先駆けて取り組んでおり評価しています。

 そうした取組みをさらに効果的にしていくためには、まずは、県内すべてのステークホルダーを招いて子供の貧困対策計画を策定すること。NPO等と連携し、団体の垣根を超えた横の連絡と実効的な施策を推進できるプラットフォームを作ること。中学校における不登校の対策を進め、高校中退を防ぐ取組みをさらに拡充し、貧困の連鎖を断ち切ることが必要と考えます。

 

(4)女性の就業/埼玉版ウーマノミクスについて

Qウーマノミクスの取組みについての評価と今後進めるべき施策については?

 

 平成23年度から平成27年度のウーマノミクスの取組みによって、女性就業率は5.7ポイントアップの63.6パーセントに上昇。女性就業者数も7.4万人増の140万人へと増加しています。この成果はウーマノミクスプロジェクトとしての包括的な取組みの成果であり、評価しています。

 今後の取組みについてですが、保育所、学童保育の待機児童の解消、病児保育の充実が喫緊の課題と考えます。再就職促進のため、産後・育児後のキャリア支援をはじめとする職業教育や資格取得機会の確保はもちろんですが、多様な働き方の選択肢としてテレワークや在宅ワークの拡大が必要だと考えます。同時に、ワーク・ライフ・バランスをさらに推進することで、業務の再分配と適正化、雇用の正規化をさらに強力に推し進めます。

 

(5)DV防止、DV被害者支援について

Qについて現在、最も重要なことはどのような取組みか?

 

 何よりも、全ての人がDVに対する理解を持つことが必要です。何がDVなのか、を理解できなければ、加害と被害について、気付くこともできません。

 男女の社会的地位や経済力の格差、固定的な性別役割分担意識や女性軽視など、今日に至るまでの社会的・構造的問題によって、男性から女性に対する暴力が圧倒的に多いことは事実ですが、あらゆる暴力を無くしていくことが大切です。そのために、若年層でのDVの実態を早急に把握し、デートDV等の防止を通じ、配偶者間等でのDVの深刻化を防ぐことが必要です。被害者支援としては、相談支援体制の強化と安心してひなん(ママ)避難することのできるシェルター等の整備、自立支援の充実が必要です。

 DV被害者は孤立に陥っている状況です。相談へとつなげるためのサポート体制を築いていくことも必要ではないでしょうか。

 

(6)性暴力被害者支援について

Q電話相談を実施しているが、この課題を解決するために、今後の取組みは?

 

 被害者の最初の相談機会としては、電話やSNS等の対面によらない方式での相談を活用することは有効であると考えます。しかし、暴力(性犯罪)被害者は、できるだけ早く適切なケアを受けることが大切です。そのために、医療機関・警察・弁護士・臨床心理士などの専門機関と連携・協力することが必要です。「性暴力被害者支援センター・ふくおか」などの先進的な取組みを参考に、きめの細かい支援ができるよう取り組んでいきたいと考えます。

 

(7)セクシャル・マイノリティ/SOGIの課題について

Qこの人権保障について、どのような施策が必要か?

 

 セクシャル・マイノリティの方は、人口の3~5%いるといわれています。人権保障は重要な課題です。まずは、セクシャル・マイノリティに対する理解を広げる必要があると考えます。一般的な啓発事業はもちろん、事業者や教育機関等での研修が大切です。また、幼少期や思春期に性自認で悩む子供たちに寄り添い、共感ができる環境づくりに取組みたいと考えます。神奈川県では、性的マイノリティ派遣型個別専門相談「かながわSOGI派遣相談」を行っていますが、こうした取組みは参考にすべきです。

 埼玉県では既に埼玉県人権施策推進指針が策定されていますが、分野別施策においてセクシャル・マイノリティを位置づけ、理解促進の取組みを進めていく必要があると考えます。なお、上記(1)の相談窓口においては、SOGIを理由にしての差別について直接、あるいはネットを介して受け付けるものとします。

 

(8)県庁の女性管理職比率の改善について

Q女性管理職の数値目標について。女性副知事について

 

 管理職育成の視点からも、数値目標を設定することは必要だと考えます。女性の副知事登用についても、適任者がいれば選任します。

 

(9)埼玉県防災会議の女性委員について

Q女性委員が少ない。防災会議への女性委員を増やす取組みは?

 

 ご指摘の通り、災害被害対応や防災において、女性の視点は非常に重要だと考えるところ、委員の登用をはかります。また、同様に他の審議会での女性委員比率に比べ、防災会議の女性委員の参加比率は非常に低く、改善が必要です。

 一方で、審議会委員には専門性も求められます。女性防災士、女性消防士等の育成にも力を入れることが大切だと考えています。

 

(10)県立高校の男女共学化について

Q県立高校のこうした状況をどのように考えるか?

 

 少子化への対応として、県立高校数の減少、特色ある学校づくりが必要です。その際、県立高校の男女共学化についても、学校統合のひとつの選択肢に成り得ると考えます。しかし、以前に、埼玉県でも県立高校の男女共学化を進める動きがあり、その際、男子校・女子校を問わず、当該高校の在校生、卒業生からの反対も多かったと聞き及んでおります。

 小中学校と違い、高校は自らの選択によって進学先を選べることから、男女別学による特色ある県立高校の存在を一概に否定するものではないと考えるところ、引き続きステークホルダーの間での議論を促進してまいります。

 

(11)ジェンダー推進について、何かほかにあれば

 

 ジェンダー平等を進めていくために、それを阻害する社会的課題解決に積極的に取組んでいきたいと考えています。全ての人がその人らしさを発揮でき、全ての人に居場所がある社会を目指してまいります。