Q5について

(5)DV防止及び、DV被害者支援について

 DV防止法制定から20年になろうとしていますが、デートDVに端を発する殺人事件や、DVと児童虐待が重なる深刻な事件が止みません。DV防止及び、DV被害者支援について、それぞれ、現在最も重要なことはどのような取り組みだと考えますか?


大野候補

 何よりも、全ての人がDVに対する理解を持つことが必要です。何がDVなのか、を理解できなければ、加害と被害について、気付くこともできません。

 男女の社会的地位や経済力の格差、固定的な性別役割分担意識や女性軽視など、今日に至るまでの社会的・構造的問題によって、男性から女性に対する暴力が圧倒的に多いことは事実ですが、あらゆる暴力を無くしていくことが大切です。そのために、若年層でのDVの実態を早急に把握し、デートDV等の防止を通じ、配偶者間等でのDVの深刻化を防ぐことが必要です。被害者支援としては、相談支援体制の強化と安心してひなん(ママ)避難することのできるシェルター等の整備、自立支援の充実が必要です。

 DV被害者は孤立に陥っている状況です。相談へとつなげるためのサポート体制を築いていくことも必要ではないでしょうか。

青島候補

 DV防止及びDV被害者支援で重要なことは、DVは犯罪であるということをしっかり周知すること、また、DVで悩んでいる方を警察とも連携し守り抜くことだと思います。

(参考)行田邦子さん

 DVに端を発した最近の事件の中には、子どもが死亡する案件、女性自身が配偶者等からDVを受けていると認識していない案件も多くあります。DV相談支援センターへの相談件数は年々増加していますが、自ら相談できない人も多く、被害は氷山の一角でしかありません。DV防止と被害者支援に最も重要なことは、一人ひとりのニーズに早期対応できる支援制度の整備と、母親へのDVと子どもへの虐待を一体的にサポートすることです。被害の背景には、夫婦・パートナー間の離婚等の問題、就労の困難や経済的困窮、親きょうだいとの関係悪化、心身の病気や障害、子どもの発達の悩みなどさまざまな要因が潜んでいます。最初に接する自治体行政窓口の生活相談・福祉・子育て・生活保護・学校等が連携をし、DV発見の端緒をつかむスキルを各職員が身に着け、専門機関につなげることが重要になってくると考えます。しかし実際には、心臨床心理士やスクールカウンセラー、SSWなど専門職の配置は不足しており、県としてはそうした人的支援を積極的に行っていきたいと考えています。